令和2年7月の保育園での歯科健診において皆様からご質問が多かった内容についてまとめてみました、ご参考にしてください。
むし歯が出来るのは、①歯の質が弱い、②虫歯菌がいる、③糖質が歯についている、という3条件がそろった時です。この状態が長時間続けば続くほど、虫歯にかかる危険が多くなります。 ですから、虫歯を予防するには、ダラダラと糖質を取り続けない様にする事と歯についた汚れをしっかり落としてあげる事が大切です。
●歯磨きのコツ
歯が萌えてきたら歯磨きを始めて下さい。まだ小さいうちは、歯磨きは習慣づけだと思って、遊びの中の一つとして食事の後に歯ブラシを持たせてあげて下さい。
真似っこが好きなので、保護者の方も鏡の状態(向かいあわせで、お子様が右利きならば保護者の方は左手)で歯ブラシを一緒に持ってやってあげると良いと思います。子どもがうまく磨け無くても、口の中に入れる事が出来れば褒めてあげて下さい。
2才位になると歯ブラシを当てる場所を誘導すると色々な場所が磨けるようになります。その後の仕上げ磨きが必要な事もお話してあげて下さい。
仕上げ磨きは、寝かせてやってあげると良く見えると思います。歯ぐきや小帯(上唇を引っ張ている筋)に歯ブラシがあたると痛いので、あてないようにしてあげて下さい。
上の奥歯の外側と下の奥歯の舌側が磨き残しが多い場所なのでここを重点的に仕上げ磨きをすると良いと思います。小学校の間は仕上げ磨きは必要です。
少しずつ自分で出来るように増えて来たら確認だけでも大丈夫です。磨き残しがわからない様であれば、たまに赤染めをしてあげると良いと思います。
●歯ブラシ
子どもの場合はヘッドがあまり大きく無いものを使用して下さい。仕上げ磨き用とは分けた方が良いと思います。毛先が開いてくると清掃効率が落ちるので、歯ブラシをこまめに交換する事が大切です。1日3回磨くのが理想的ですが、寝る前の歯磨きが1番重要です。朝は簡単に、夜しっかりと仕上げ磨きまでして確認すると良いでしょう。1回の時間はあまり気にしなくて良いと思います。
●フロスと歯間ブラシ
フロスは出来れば、上下の奥歯と上前歯は1日1回で良いのでしてあげて下さい。歯間ブラシは子供の場合はしなくても大丈夫です。
●歯磨き粉
歯の汚れは歯磨き粉で落とす訳では無いので、無しでも大丈夫です。特に、まだ飲み込んでしまう可能性が大きい年齢では、使わない方が良いと思います。
フッ素は、歯のエナメル質を強化する働きのほか、むし歯菌の働きを弱める力もあります。フッ素の応用としては、フッ化物入り歯磨き粉を使う方法と、フッ化物の入った洗口液でうがいする方法があります。ただフッ素濃度が低いため、むし歯予防効果は10~20%と言われています。
歯科医院の定期的歯面塗布では濃度の高いものを使うため、歯科予防効果40~50%と言われています。その為、フッ素を使用したから、むし歯予防が出来るわけではありません。一番大切なのは歯みがきで汚れをしっかり落としてあげることです。
指しゃぶりの原因は諸説ありますが、不安、退屈、不快などの状態で多くみられます。
外部からの色々な刺激によって生まれる緊張や不安を自分自身の力で和らげるための代償的行為で、言いかえれば赤ちゃんの精神の安定に役立っているともいわれています。ですから、2〜3歳位までは生理的なものと考えて良いと言われていますが、それ以降も頻繁な指しゃぶりが続く様であれば、心理的問題が隠れている事もありますのでご相談下さい。
※その他、ご質問等がある場合は当院までお問合せ頂ければいつでもお答え致します。